2009年12月28日月曜日

2009年も、ありがとうございました!!

今年2009(H21年)はみなさまに

とってどんな年でしたでしょうか?

ふるさと館は“海苔”をテーマとした国内初の博物館として

数多くの方々にお越しいただております。


大好評の海苔付け体験の様子です。




ふるはまでは「エイ」もみられました。




海苔採りのようすです。

沖合に設置してある網ヒビでの

作業の一コマ。



海苔干しが終わり一安心のようす。
やれやれ~


☆☆☆ふるさと館には国内のみに限らず☆☆☆

特にヨーロッパや北米・南米、アジアなどの

諸外国からの来館者の方々も多数訪れております。

今年2009年(H21年)はお陰様で来館者が

14万人に超える偉業成し遂げました。

さらに来年は元海苔生産者の方々と来館者の方々との

掛け橋になれるよう本年以上にがんばりたいと思います。


来年は1月4日(月)9:00より開館致します。

是非、お越しください。

<ごあんない>
1月4日(月) 
おひる12:30~

ふるさとの浜辺公園内の海域内で海苔採りが行なわれます。
見学は自由でございます。


みなさまにとって来年も良い年でありますように!!


(たかはし)

2009年12月27日日曜日

アサクサノリ~海苔とり~

今月10日に、手入れが行われました。



手入れとは、一番最初の海苔とりのことです。


冷たい海に素手で海苔をとる姿は勇ましく、昭和の時代にタイムスリップしたかのよう。







海苔とりの後はもちろん海苔つけ。


まず、とってきた生海苔




をチョッパー(海苔を切る機械)で細かく切り




樽の中で水と混ぜます。




それを四角い枠の中にドバっと!




さすがは元生産者。私たちとはレベルが違います。


海苔生産が終わって約50年が経っても、体は動きを覚えています。


このときは、約260枚の乾し海苔をつくりました。




この調子で順調に海苔がとれるかと思ったら、ふる浜の塩分濃度が少しずつ下がってきて、

順調に育っていた海苔はとけてなくなってしまいました・・・。



そして、24日(木)、海苔網の張り替えを行いました。


年明け1月4日に海苔とりを行う予定です。

元気に育ってほしいものです。





初詣のお願い事は

「海苔が元気に育ちますように」!?




(りょう)

2009年12月18日金曜日

海苔の街を伝えていこう  街歩き編 ~Final~

【大森漁業共同組合跡(石碑)】
大森漁業共同組合跡地に

石碑が建立されました。

この石碑は

現在、大森第一小学校に

隣接する場所にあり、




明治14年、当時の漁業者たちに旧慣を見直す動機を与え組織することを提案し、

明治35年 大森漁業組合発足

昭和25年 都内最大の漁協である大森漁業協同組合発足



しかし羽田空港や東京オリンピック

開催に伴い埋立により

急激に海の汚染が進み、

海苔が採れなくなりました。

それによって漁業権を放棄せざる

負えず、

昭和37年大森海苔漁業に幕を下ろす

昭和40年大森漁業協同組合 解散

昭和42年漁業記念碑 建立
(漁業跡地)



この江戸時代から続く海苔養殖に

かかわる壮大な“時間”を

参加者や学生に懇切丁寧に

わかりやすく説明される姿に

大森の海苔の歴史の重さを

実感しました。




【大森第一小学校(資料室)】
さて、ゴール地点の

大森第一小学校の資料室です。

こちらの資料室には数多くの

海苔にまつわる当時の道具が

所狭しと並んでいます。

まるで博物館のようです。


当時の海苔漁師さんが使用されていたものに限りなく近いものだと伺いました。

さらに当時の海苔生産者の子どもたちは家事の手伝いをおこなうため

早朝5時から小学校に通っていました。



その時、小学生がみんなで

声を合わせて歌っていた

「朝学(ちょうがく)の歌」を

歌集を手にして参加者全員で合唱。





その後、資料室をあとにした

私たちは同校内の別会場に席を変え

参加者と学生が本日歩いて来た

道のりを振り返る時間に

あてました。



参加者からは数多くの惜しみない声

と共に海苔の歴史を振り返る

大切な時間を過ごせたと

数多くのご意見をいただけました。







また来年も海苔について参加者のみなさまと、そして若さ溢れる学生のみなさんと一緒に

楽しく学べる機会を持ちたいと考えております。



(たかはし)

海苔の街を伝えていこう  街歩き編 ~3~

【貴船神社】
海苔とのつながりが多くみられる神社です。

その1つは「たてかた祭」「悪潮払い」

「海上安全祈願祭」などの祈願が

行われています。




2つ目は、「漁業納畢之碑(ぎょぎょうのうひつのひ)」です。

当時の海苔漁業者の海苔漁業に対する維持と発展に努めていた内容が

この石碑から読み取られることができる。

宮司さんからも直接、

お話しを伺うことができ

参加者も宮司さんのお話しに

聞き入る場面が見受けられ

ました。




また学生自身が下調べした内容を

参加者の方々にわかりやすく

理解していただくために

クイズ形式で問題を出す場面も

数多くみられました。







【厳正寺】
当時は海岸寺として開創され、

「正月を末代厳る(かざる)寺」という

意味を込めて厳正寺となりました。

また厳正寺では

東京都の無形民俗文化財に

指定されている「水止め舞」でも

知られ毎年7月には多くの見物客で賑わいをみせます。



私たちのNPO法人 海苔のふるさと会会長から厳正寺にまつわるお話しを

当時の海苔漁業を踏まえながら、わかりやすく丁寧にご説明をいただきました。

「もう少し聞いていたい」という参加者からの反応はとても感慨深いものでした。

「先祖に対する感謝の気持ちをいつも忘れずに持ち続けること」

言葉やブログ上では表現しきれない、その場にいた参加者のみなさまや

スタッフだけが 共有でき得る“空気”や“間合い”というものを強く感じた瞬間でした。

いま現代に生きるわたしたちが強く意識し、そして先祖のご苦労を忘れてはならないこと。

つまり“人間”であることの意味についてお話し頂けた、かけがえのない時間だったと思います。


先人のみなさまに恥じぬ仕事を、

いまこの瞬間から気持ちをひきしめて今後の業務に臨みたいと考えています。


(たかはし)

2009年12月17日木曜日

海苔の街を伝えていこう  街歩き編 ~2~

【元海苔生産者さん宅】
現在はタバコ店を経営されており、

イベント当日はご都合がつかず

直接、お逢いすることはできなかった

ものの


事前に学生が打合せを行い、

クイズ形式で

当時の海苔生産者の方々の

生活をふりかえることができ、

参加者は大いに楽しみながら

学ぶことができた。




【元造船所】
船大工の家系に生まれ育ち、

「仮屋」と呼ばれる造船場で

幼い頃から造船風景を見て

育ったそうです。


参加者のみなさんは元造船所の方のお話しに熱心に耳を傾けられていました。






(たかはし)

海苔の街を伝えていこう  街歩き編

ふるさと館を出発し

最初のポイント である

「ふるはま」を目指す

参加者のみなさん。

学生もしっかり参加者をナビゲート。
















【大森ふるさとの浜辺公園】



「ふるはま」では元海苔生産をされていた方から
「振り棒」という竹ヒビを植える道具と当時の大森の様子を直接、お伺いすることに・・・。

みなさん、水辺と親しみながら楽しくお話しを伺うことができました。


(たかはし)

2009年12月2日水曜日

シジミ漁師

さて、前回の記事の海洋大学生との櫓漕ぎ修行の後…。

河岸で何か作業をしているおじさんがいらっしゃいました。

「こんにちは~。何か採って来たんですか?」と声をかけてみると、大粒の光り輝く貝がたくさん!

ま、まさかこれは!








「シジミですか?」

「そうだよ。羽田の河口近くで採って来たんだ」

館の近くで羽田のアサリやシジミを採って売っているお宅がありますが、その方とは別の方でした。

かつて、平和島駅から北の方は、海苔ではなく貝採りが主流でした。この方も、その地域のようです。

今は、商売ではなく近所の人に分けるとのこと。今でも生活が海と共にあることが、このおじさんの生きがいなのでしょう。






昔ながらの腰巻きを使った、貝まきといわれる漁です。
腰巻を水中に沈めて、腰あてでひっぱりながら人力で貝を掘ります。

「"目"の大きさが少しずつ違っている。こっちが、4寸。こっちは3寸5分」

腰巻きの"目"に貝を当ててみると、3寸5分では引っかかったのに、4寸ではスルリと抜けた。


「若くて小さい貝を採らないようになっているから、また次にも貝が採れるんだよ」

うーん。海は永遠に続いても、資源は決して永遠ではないんですよね。忘れがちな大事なことです。







まるで、光り輝くクリのようです。

茶色のシジミは、砂地に多くて、泥臭さがなく味がしっかりしているそうです。

江戸前の魚介、今だ健在。
江戸前の漁師魂も今だ健在。



(まこ)

東京海洋大学 学生たちの櫓漕ぎ修行

12月6日に開催予定の東京海洋大学とのコラボレーション企画「海苔のまちを伝えていこう」まで、1週間を切りました。

海洋大学生たちは、配布資料の印刷や最後の確認作業など大忙しです。

この数カ月、学生たちは、海苔の痕跡や語り部を求めて、いくどとなく大森の街へ足を運び、多くの方々にお話を伺ってきました。

しかし、時にはこんなことも!

「ええぃ。めんどくせぇなあ。説明したって分かんねえよ。舟の漕ぎ方はな、漕いでみれば分かるんだよ!」

という訳で、急きょ、櫓(ろ)漕ぎ修行が行われました。

機動力があるのが、学生の強み。





海での仕事に欠かせないのが、櫓(ろ)と櫂(かい)。

櫓は、水深の深い所を漕ぐときのもの。


舟に固定して両手で漕ぎます。



私もやってみましたが、む、難しい~!!

舟が進んでいるようでいて、実はおじさんの舟にけん引されていました(笑)


櫂は、一本の棒なので簡単そうに見えますが、実はこちらの方が難しい。

「櫂は三年、櫓は三日」とも言われるそうです。

一本の棒を操ってさまざまな漕ぎ方があります。

それによって舟が回転したり、河岸に近づいたり、離れたり、進んだり、後退したり。




最後は、"わーい!!"とはしゃいでみせるところは、やっぱり学生。

若いなあ。

この日の修行も、当日のガイドに活かしてね!!



さて、学生たちの本番は、こちらのイベント。まだ、若干空きがございます。

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海苔の街を伝えていこう 街歩き編

海苔の生産が終わって50年近くが経とうとしています。
しかし、大森のまちには今でも海苔生産の面影が残っています。
この催しは、東京海洋大学との協同事業として企画しました。
学生たちが、学生の視点で大森の街を調べ、当日、ナビゲーターとなって皆さんと一緒に海苔の街を歩きます。


※雨天の場合は、館内でビデオを見ながら街をご案内します。

日にち 12月6日(日)
時間  午後1時から4時
会場  当館、大森の街(集合は当館)
対象  中学生以上
参加費 100円(保険代)
申込み 電話にて申込み(03-5471-0333)
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(まこ)